昨年12月22日のクラス会について書いた記事 向山洋一先生と33年ぶりの再会 になんとご本人とTOSSの方からコメントが投稿されました。
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向山です。
教え子の嬉しいブログ何度も読みました。
羽田空港に近い人情厚い町で私は新卒から4年間素敵な父母と教え子と夢のような教師生活を過ごしました。
何十年ぶりかに会った教え子は、どの子も素敵で輝いて自分の道を歩んでいました。教師の仕事が何十年か後にどうなったのかという本は、これまでにありませんでした。
日本の教師の一人としてその仕事の責任を取ることを思ったのです。
それに何よりも出版パーティーでまたあの素敵な教え子とお酒を飲む事ができます。
人生の喜び、これに勝るものはありません。
ゆきちゃん、ブログありがとう。
向山洋一
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今のテクノロジーのお陰で、昔では想像も出来ないような情報の伝達と拡散が起きていることが実感できます。
実は先日のクラス会でTOSSの皆さんが先にお帰りになったあと、当日感じていた戸惑いを向山先生にぶつけてみました。
私が感じた”戸惑い”とは向山先生の教育技術が優れていたから我々はこの年齢になっても先生を尊敬しているのだろうか?というものです。
先生のお陰で跳び箱が飛べたから、先生のお陰で百人一首が覚えられたから・・そういった教育技術が優れていたから忘れられない先生になっているとは感覚的に思えなかったからです。
で、単刀直入に聞いてみました。 「教育って技術なんですか?」
先生の答えは、車の運転が教本を読んだ「知識」だけで出来ると思うか?実際に教官に乗ってもらって実際の車を運転して、最低限の技術を身に付けなければ運転なんて出来ないだろ。今の教師にはそういった技術を身に付けたり磨いたりする場が無いんだ。ほとんどぶっつけ本番で教壇にたって子供たちとやり取りをはじめるんだ。たまたまうまく行けば良いけれど、失敗すれば教師も生徒も傷だらけになる。そうであるにも関わらず傷ついて失敗しながら一人前になって行くんだってのが今の仕組みなんだよ。
でも、こうしたらうまく行く、こうしたら失敗するって事が先輩の経験の中にあるのに、なぜ同じ失敗をさせる必要がある?教師にも子供にもいい事なんかありゃしないじゃないか。
これを聞いて、今の自分の仕事で感じている問題とオーバーラップしました。
営業の仕事はお客様に商品の特徴と、それがいかにお客様に有効かを説明して、納得してもらったら購入してもらう。で、新人さんは皆熱心に商品の勉強を始めます。知識は十分・・でも・・実績の上がらない人が意外に多くいます。知識で物が売れると思っている人が多いのです。
でも実際は営業は心理戦。知識が無ければ話にならないけど、知識だけでは物は売れない事を私は知っています。
顧客の小さなサインを見逃して、結果につなげられない人が多いのです。で、2年前から毎週現場で起きた様々な事例を、営業担当全員の前で発表してもらい、「こんな時どうする」という勉強会を続けてきました。体験を共有する仕組みです。
ベテラン営業マンのなかには、相手はいろいろなんだからそんな事やったって無駄だよと言う人もいました。でも、自分の経験では大きく分ければ何通りかのパターンを習得しておけば70%の相手には通用すると思っています。自分もたくさん失敗してつかんできた事を全部公開して勉強会を続けています。
その自分の続けている勉強会に非常に近いものを向山先生の話から感じたのでした。
教育って技術なんですか?、僕らが先生から受けた影響は先生の技術が高かったからなんですか?
という問いに答えてくれた先生の話を聞いて、最低限の技術を持つこと。その場が今の仕組みの中に無いのならそれを作ろうという志を理解しました。
と、同時に向山先生の知識と技術のお陰で、今の自分があるのかと自問してみると、やっぱりプラス向山洋一という人の我々に対する姿勢があったからだと思えてならない。先日の記事にも書いた、まだ小学生だった我々を子供としてではなく、人として扱ってくれた事への感謝と敬意の念は忘れられない先生の「味」として記憶に残っているのです。
再び、営業マンを例にすると、知識+技術を身に付けたあとの最後の課題は自分の味を作ることなんです。「他の誰でもない、君がいい」と顧客に言わしめる「営業マンの味」。人間を相手にする教師という職業も、ひょっとしたら似たような側面があるのでは・・と思いました。
2 件のコメント:
写真は奥方?それともお嬢様でしょうか?
お犬様共々ご家族安泰の様子で何よりですね
幸せの源ですもんね!
向山先生が直接残されたコメント、嬉しかったでしょう!
実現したいという強い意志を貫き通す努力は実を結ぶと信じてます
『勉強会』素晴らしいです
無責任ですが、必ず実績上がると思います
更にそれ以上の付加価値もありますって
TOSSで学ばれている先生方も技術習得という目的とは別次元での成長があると思います、向山先生が既に持っていたもの
我々が先生を尊敬したり好きになったり
決して技術じゃなかった
一人の人として、大きくて優しくて楽しくて、そして何より成長させてくれた
頭で理解じゃなく、心で感じた部分
それは技術じゃないと思ってます
営業の勉強会、是非続けて下さい
1日1麺さん。
写真はうちの奥方です(^^)
向山先生のコメントは、コメントを頂けた事よりも、その内容が嬉しかったです。
> 羽田空港に近い人情厚い町で私は新卒から4年間素敵な父母と教え子と夢のような教師生活を過ごしました。
この1行。「夢のような」という形容に涙が出ました。片思いでなかったという感覚でしょうか。
> 我々が先生を尊敬したり好きになったり
> 決して技術じゃなかった
> 一人の人として、大きくて優しくて楽しく> て、そして何より成長させてくれた
> 頭で理解じゃなく、心で感じた部分
> それは技術じゃないと思ってます
やっぱりそう思いますか!
でもこれを伝承するのは大変でしょうね。
あの頃なぜあんなにも先生のことを皆が好きだったのだろうって考えると、日記で、「エトランゼ」や「たけしび」で、あるいは授業中の一言一句から、先生のストレートな気持ちが途切れることなく発信され続けていたよね。
これはボディブローのように効いていたと思う。
その他のジャブやたまに来るカウンターで全員見事にKOされてしまったって感じでしょうか。
で、思うに人間をコピー出来るわけが無いので、やはり「技術」という事になるのでしょう。
> 営業の勉強会、是非続けて下さい
ありがとう。勉強会頑張ります。
こちらは知識と技術はカバーしてあげられるんだけど、参加する本人の「プロとしての自覚と誇り」は自分で用意して来てもらわないと難しいんだよねぇ(^_^;)
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