2012年12月31日月曜日

今まで書かなかった事(長文・写真無し(^_^;))

これまでブログには書かずにいた事。でも実際には今年の後半、頭の中の大部分を占める重大な出来事が起きていた。2012年の大晦日を迎えて、このままこの事を書かずに年を越すか、さんざん考えたけれど・・ひょっとするとどなたかの役に立つ事があるかも知れないと思い、書いておこうと思う。

7月4日のエントリーに「娘から旅行プレゼント」というエントリーを書きました。その旅行から帰って、体調不良を感じていたらしい父は病院で検査を受けた。精密検査を繰り返した結果、肺がんの第4期であるとの診断。もはや化学療法(抗がん剤)による延命措置しか手立ては無いと告げられたのが8月9日。8月16日に新横浜のゆうあいクリニックでPET検査を受け、他の部位に転移があるかを検査。8月23日にはその結果が出て、他の部位への転移は無いと判った。

入院して抗がん剤の治療が始まる。何種類かの薬があるようだが、まずは2タイプを混合して投与する事に。4回の投与で1クール。副作用は投与から1週間から10日前後でピークに達し、その後快方に向かうとの事。

多くの方から抗がん剤の厳しさを聞いていたので、どれほど大変な事になるのだろうかと、本人は無論、家族もみんな固唾をのんで見守っていた。ところが拍子抜けする程、話に聞くような症状は現れない。人によって副作用の出方には個人差があるとの事なので、親父は案外大丈夫なのかもしれない・・そんなふうに思っていた。

しかし回数を重ねるほどに、副作用が顕著に出るようになって来た。1クールが終わる頃には口内炎がひどくなり、食事も飲み込めないと嘆くようになった。

10月11日には1クールが終わって、抗がん剤の効き目を、病巣の様子を調べて診断した結果が告げられた。僅かながら腫瘍の大きさは小さくなっていると、画像を見せながら主治医が説明してくれた。

この後一旦自宅に帰って、通院で抗がん剤を打つようにしましょうとの事で退院。しかしながら血痰が徐々にひどくなる。1日にティッシュを1箱使ってしまう程になり、再び入院することに。

検査すると一旦は小さくなった腫瘍が、再び大きくなって来ているとの事。抗がん剤は全てのがん細胞に有効なわけではなく、ある細胞には効き目があっても、その隣の細胞には効かない・・そんなことがあるらしい。一旦小さくなったのは最初の抗がん剤が効いたガン細胞を退治したからと思われるが、効かなかったガン細胞が活発化しているのでしょうとの事。次は違うタイプの抗がん剤を投与しましょうと云う事になった。ただ今度の抗がん剤は前のよりも副作用が辛いでしょうと・・。

そこでまず抗がん剤投与の前に、肺からの出血をなんとかしてくれと頼む親父に、カテーテルで出血していると思われる箇所を塞いでみましょうということに。施術の結果、完全に塞ぐことは出来ないが、流量を減らす事は出来た様子。

そんな状況を間近で見ていて、「抗がん剤を打つたびに弱って行くようにしか見えない治療ってどうなんだろ」って思っていた。仕事仲間からも漢方医でとても有名な先生がいるから、いちど聞いてみたらどうかというアドバイスも頂いていた。ただ普通に申し込むと半年待ちだとの事。駄目元で電話をして相談すると、特別に枠を作って下さるという事になった。

セカンドオピニオンの手続きをお願いして、資料を整え・・さぁ翌日にその漢方医のところへ・・と思っていたら・・早朝親父から「今日の外出は中止にしました」とのメール。

訳が判らずにいると、前夜主治医がやって来て「セカンドオピニオンは無論患者さんの権利ですから結構なんですが・・」と云いながら、遠回しにその医院での治療を受けるなら、ここに居てもらっては困る的な話をされた様子。

それなりの立場にいるような医者の場合、メンツやプライドがこういった事にかなり影響するよと、アドバイスを頂いたりしていたが、まさか目の前の主治医がそんなタイプだとは・・ビックリ仰天した。

結局、タイプを変えた抗がん剤の投与が始まった。今度の副作用のピークはちょうどお正月にやってくる。

どんな状況であっても、肯定的な要素はないのか?と思いを巡らせて、本人にも、母親や家族にも話をしているこの半年。まさに肯定力が試されているんだと思う。

あと1時間半程で2012年が終わる。今年の最初のエントリーに娘と二人で大吉のおみくじをひいたと書いたけれど・・お世辞にも大吉な一年とは云いがたかったなぁ・・。そんな時こそ肯定力を鍛えようと、自分に言い聞かせてきました。

さぁ、もうすぐ年が明ける。

新しい年を楽しもう(^^)